この記事で解決できる疑問・悩み
1.介護職はピアスをしちゃダメなの?
2.介護職はピアスが好ましくない理由はなに?
3.介護職のおしゃれはどこまでO.K.なの?
今回は、これらの疑問やお悩みを解決します。
記事を書いている人
Ke
職業:介護施設経営、経営コンサルタント
経歴:大手証券(営業)→大手不動産(経営企画)→大手転職サービス(部長)→起業(代表取締役)
1,000人以上の面接・採用意思決定を経験し、介護施設を10年経営しています。
"経営者(採用する側)"の視点から、求職者(採用される側)の方を成功に導くお仕事情報をお届けしています。
この記事のゴール
1.介護職はピアスが好ましくないことが分かる
2.介護職はピアスが好ましくない理由が明確になる
3.介護職のおしゃれはどこまでO.K.かが分かる
「介護職ってピアスO.K.なの?」。
これから介護の仕事を始めたい方には、気になるかもしれませんね。
結論をいうと、ピアスをN.G.としている施設が大半です。
それは、単に見た目の印象だけでなく、介護業界特有の理由があるんですよ。
そこで今回は「介護職のピアスが好ましくない3つの理由」を解説します。
そして「介護職のおしゃれはどこまでO.K.か」についても明らかにしますね。
介護業界は、残念ながらスタッフのおしゃれに対し保守的にならざるを得ないのが実情です。
この記事を最後まで読んで、その理由について納得感を抱いた上で、前向きな気持ちで介護業界に飛び込んできてくれると嬉しいですね。
それでは、スタートしましょう!
目次
介護職はピアスはO.K.?
もう答えは分かりましたね。
繰り返しになりますが、介護業界ではピアスN.G.の事業所が大半です。
社会人ならどんな業界でも、身なりやファッションについてのルールはありますよね。
業務に差し支えなければさほどこだわらない、という会社もあるでしょう。
でも、身なりや格好について介護業界は、他の業界にはない禁止事項がたくさんあります。
これは、医療業界などでも同じですね。
それはなぜでしょうか?
このあとから理由を詳しく説明していきますね。
介護の「対象」と「目的」を考えてみよう
まず、介護とは誰を「対象」にどんな「目的」で行うのかを説明しましょう。
それが分かると、ピアスが禁止される理由に納得感が生まれるはずですよ。
介護サービスの対象となるのは「老齢や心身の障害などによりお1人で日常生活を送るのが難しい方」です。
要するに「ご高齢の方々」ですよね。
そしてそのような方々が「自立した生活を送れるよう、意思を尊重しながら必要なサポートをする」のが、介護の仕事といえます。
つまり、介護サービスの主役はあくまでも「ご高齢の方々=ご利用者様」なんですね。
そんなご高齢のご利用者様が、自分たちの時代にはなかった見慣れないピアスをつけた介護職を見た時、どんな気持ちになるでしょうか?
同じように、大切な親や配偶者を預けているご家族の方はどんな印象を持つでしょうか?
一方で「介護の目的」は、そのサービス(サポート)を通じて「ご利用者様の希望や想いを実現する」ことです。
ここまでで、何となく分かったかもしれませんね。
一旦、あなたなりに答えを考えてみてください。
そして、答えがまとまったところで、次からその理由を3つ解説していきます。
介護職はピアスが好ましくない3つの理由
介護サービスにおける主役は、お客様であるご利用者様であることが分かりました。
そして、ご利用者様を主体に考えると、介護職ではピアスが好ましくない理由が3つ見えてきます。
具体的には、以下の3つですね。
介護職はピアスが好ましくない3つの理由
1.不快感や不安を与える
2.怪我をさせるリスクがある
3.自分が怪我をすることがある
では、順に見ていきましょう。
1.不快感や不安を与える
ご利用者様に不快感や不安を与えてしまうことが、大きな理由の1つです。
介護施設のご利用者様は、70代だと若い方で、中心は80代や90代の方々ですね。
ちなみに、私の経営する施設のご利用者様の平均年齢は、83.5歳です。
では、第2次世界大戦が始まる前に生まれたそんな方々が、得体の知れないピアスをつけた介護員を見た時にどう思うでしょうか?
この世代の方々に、ピアスをファッションとして「カッコいい」と捉える文化はありません。
それどころか「不良」という印象を抱き、怖いと思ってしまうのではないでしょうか。
そして、そんな「怖い」職員に、お世話をしてもらうことに不安を感じてしまうことでしょう。
また、ご利用者様の主介護者であるご家族(配偶者や子ども)も、ピアスに馴染みのある世代ではありません。
同じように、ご家族も「自分の大切な夫(妻)や親をこの人に任せたくない」と思うはずですよね。
2.怪我をさせるリスクがある
ピアスによりご利用者様に怪我をさせてしまうリスクがあることが、2つめの理由です。
介護の現場では、ご高齢の方々と身体を密着させて動作の介助を行う場面が頻繁にあります。
例えば、ベッドから身体を起こすときや立ち上がる時などに、抱き抱えるようにして身体を支えたりしますね。
そんな時に、もしピアスが皮膚に触れてしまったらどうなるでしょうか?
高齢の方の肌は若い人と違い弱くて脆くなっているので、軽く触れただけでも簡単に傷がつき怪我をしてしまうこともあります。
また、ピアスが外れてしまった時も、思わぬ事故につながりかねません。
入浴介助で洗身中にピアスが外れ、ご利用者様の身体に落ちて怪我をするかもしれませんよね。
また、何らかの介助中に落ちてしまい、認知症のご利用様がそれを拾って飲み込んでしまうことも考えられるでしょう。
小さなピアスが、ご利用者様の健康や命に大きな危険をもたらす可能性があることを覚えておきましょう。
3.自分が怪我をすることがある
ご利用者様だけでなく、自分が怪我をするリスクもありますよ。
介護の仕事は、身体を密着させる機会が多いことは先ほど述べましたね。
その時に、ご利用者様の衣類にピアスが引っかかったり、認知症のご利用者様にピアスを引っ張られたりすることがあります。
実際に、私の友人が経営するグループホームで過去にそのような事故があり、介護職の方が耳の縫合手術を受けているんですよ。
また、相手が認知症の方だと責任を問うこともできず、泣き寝入りせざるを得ません。
介護事業所がピアスを禁止しているのは、ご利用者様の安全を守るだけでなく職員の安全を守る目的もあるんですね。
介護職には、ご利用者様の近くに日々寄り添い、感情面や健康面を良好に保つ責務があります。
他の仕事と異なる配慮が必要なことが分かれば、介護業界がピアスN.G.であることに納得感を持てるのではないでしょうか。
介護職のおしゃれはどこまでO.K.?
ピアスが基本N.G.と知って「おしゃれをしちゃダメなの?」と悩む人もいるでしょう。
そこでここからは、介護職のおしゃれはどこまでO.K.なのかを明らかにしていきますね。
1.ネイル
ピアスと同様、禁止としている事業所が多いですね。
その理由は、以下の4つがあります。
介護職のネイルが好ましくない4つの理由
1.怪我のリスクがある
2.不衛生である
3.不潔な印象を与える
4.不快感や不安を与える
ただし、日々の業務から爪を保護するために、条件付きで認めている事業所もあります。
また、ジェルネイル以外でも指先のおしゃれを楽しむ方法もあり、ピアスよりは少しだけ、おしゃれの余地が残っているかもしれませんね。
なお「介護職のネイル」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
読み終えると、ネイルが基本的にN.G.な理由とネイルがO.K.なケース、いろいろな指先のおしゃれ法が分かりますよ!
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介護職はネイルO.K?答えと理由、おしゃれ法を介護経営者が解説!
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2.アクセサリー
こちらも、原則として禁止する施設が多いですね。
華美なものではない結婚指輪や短いネックレスであればO.K.の事業所もあります。
でも、ネックレスにしても指輪にしても、外れてしまってご利用者様が誤って口に入れてしまう可能性がありますよね。
また、ネックレスを引っ張られて、自分が怪我をするリスクもあるでしょう。
さらに、介護現場は入浴介助や手洗い、消毒など、水を使う場面が頻繁にあります。
そのため、少なくとも勤務中はご利用者様と自分の安全、大切なアクセサリーを守るため、外しておくのが良いのではないでしょうか。
3.髪型・髪色
これは、事業所によって考えが分かれるところですね。
現状では「男性の長髪」や「金髪」はN.G.の事業所が多いでしょう。
やはり、ご利用者様やご家族には「見た目の印象」を気にする方が未だに多く、「恐怖感」や「不快感」を抱かせないためといえます。
ただし、髪型や髪色によって、ご利用者様や自分が怪我をすることはありませんね。
また、定期的に髪を洗っていれば、衛生面や清潔面で問題となることもなさそうです。
さらに高齢のご利用者様たちも、髪を染めている人たちを見慣れてきており、昔より抵抗は薄れてきているかもしれませんね。
介護業界は、慢性的な人材不足に苦しんでいます。
そのため、髪型や髪色まで規制してしまうと、退職者が増えたり新規採用が難しくなるため、あえて容認する事業所も増えているのは間違いないですね。
介護職がおしゃれできるのはまだ先
ここまで見てきた通り、介護業界はスタッフのおしゃれや身だしなみに対し保守的です。
介護サービスの主役は「ご利用者様」だと前述しましたね。
そして、その介護サービスの目的は「ご利用者様の希望や想いを実現しサポートする」ことにあります。
おしゃれによって、ご利用者様や自分の安全が脅かされるリスクがあるのなら、禁止されるのは当然ですね。
また、ご利用者様やご家族に不快感や不安を与えることも、あってはいけません。
もちろん、誰の安全も脅かされず不快感や不安を与えないおしゃれもあるでしょう。
でも、そのおしゃれが「ご利用者様の希望や想いを実現しサポートするために必要か」と考えた時、「必要ない」と考えてしまうのが現状です。
介護業界が、他の業界のようにおしゃれに寛容になるには、まだ時間がかかりそうですね。
ピアス可の事業所へ転職するのもアリ
さて、介護施設がピアスを禁止する目的を改めて確認しましょう。
それは「ご利用者様とご家族のお気持ちへの配慮」と「ご利用者様やスタッフの安全確保」ですね。
でも、一方でピアスO.K.の事業所も存在します。
もちろん「ご利用者様とご家族に不快感や不安を与えないこと」と「事故や怪我が起こらないこと」が前提ですね。
そのうえで「介護の仕事に対する情熱や真摯な姿勢」があり「ご利用者様やご家族との信頼関係」が築け「適切なサービス」ができるなら、見た目は気にしないということでしょう。
よって、業務中でもピアスをしていたいのなら、このような介護事業所へ転職するのもアリですよ。
デイサービスや訪問介護など、自立した方が多く身体を密着させて介助する必要の少ない形態の事業所は、特にピアス可の求人が見つかる確率は高まりますね。
なお、そのような求人を探す場合は、こちらの記事で紹介している転職サイトがお勧めです。
数多くの転職サイトの中から、介護と転職のプロとして絶対に使うべき介護専門の転職サイトを5つだけ厳選しました。
ピアス可の求人案件も豊富で、きっと希望に合った事業所が見つかるはずですよ!
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まとめ
それでは、最後に改めて振り返ってみましょう。
今回解決した悩み・疑問はこの3つでした。
1.介護職はピアスをしちゃダメなの?
2.介護職はピアスが好ましくない理由はなに?
3.介護職のおしゃれはどこまでO.K.なの?
ピアスを禁止する介護事業所が大半であることが分かったと思います。
また、それには明確な目的と理由があることを知って、納得感が得られたのではないでしょうか。
さらに、介護職はどこまでおしゃれできるのかも、理解ができたことでしょう。
おしゃれにはなかなか制約の多い介護業界ですが、その裏にある業界特有の事情を理解し受け容れ、前向きに仕事に取り組んでくださいね。
なお、介護の仕事を始めたいけど「介護職って給料安いよね?」と躊躇している方は、こちらの記事を読んでみてください。
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さらに「介護施設のご利用者様ってわがままなの?」、「わがままにどう対処すれば良いの?」という疑問やお悩みには、こちらの記事で解決できます。
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では、今回は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!